雨・・・神を知る手がかり?

漢字の向こうに聖書が見える:2022年6月

ブラッシュ木綿子(著者)-  2022年 06月 01日 - 

六月になりました。今月の漢字は雨です。雨は完全に象形文字で、垂れ下がった雲から雨が降る形です。日本は年間を通して雨がよく降りますね。日本語には、雨の呼び名や雨を表す言葉が実に四百以上もあると言われています。例えば翠雨(すいう)という、見るからにきれいな雨の名前もあります。これは青葉に降り注ぐ雨のことで、今回「アジサイと翠雨」をデザインしました。

降っても、晴れても
神は時にかなって・・・

夫の母国であるイギリスも、雨傘を持った紳士のイメージが定着している通り、雨はよく降ります。でも雨は基本的には「rain」(レイン)。日本のように細かい区別はありません。だから日本語の方が豊かだと言いたいわけではなく、細かく言い分けるところに文化の違いが表れると思うのです。私がイギリスに住んでびっくりしたのは、動物の名前分けの細かさです。日本語では、豚、猫、犬、羊……と覚えれば、あとは子、雌、雄を付ければいいですよね。これで何でもいけます。でも英語だと、豚はピッグですが子豚はピグレット、雌豚はサウ、雄豚はボアと、それぞれ名前が変わります。猫もしかり。犬もしかり。羊、牛、馬、鹿と、ありとあらゆる動物でこの調子なのです。羊なんて、子羊が「L」(エル)から始まるラムで、雄羊が「R」(アール)のラムと、まるでLとRの発音が苦手な日本人をいじめているような名前ですよね!

話を雨に戻しましょう。日本では雨がよく降るので、私は「雨が降りますように」と祈ったことがありません。逆に遠足や運動会の前に「晴れますように」と祈ったことはたくさんあります。最近では「猛烈な雨」とか「線状降水帯」とか、昔は聞かなかった言葉を耳にし、雨で悩まされることの方が多いかもしれません。「雨がやみますように」と必死に祈ったことのある方もいらっしゃるでしょう。こうした「晴れますように」や「雨が降りますように」、「雨がやみますように」といった祈りは、人間としてごく自然の祈りなのだと思います。

漢字の向こうに聖書が見える:雨
わたしは時にかなってあなたがたに雨を与える。それにより地は産物を出し、畑の木々はその実を結ぶ。(レビ26:4)

では私たちは誰に、あるいは何に祈っているのでしょうか。聖書によれば、雨を降らせるのは天地万物を創造された神です。今月の聖書のことば「わたしは時にかなってあなたがたに雨を与える。それにより地は産物を出し、畑の木々はその実を結ぶ」の通りです。神は季節のために役立つようにと太陽と月を配置し、時にかなって雨を降らせ、私たちが生きることができるようにしてくださっているのです。

雨は、神がおられることを知る手掛かりのひとつだと聖書は教えます。神は目に見えませんが、神はご自分の存在を色々な形で証ししておられるのです。「天からの雨と実りの季節を与え、食物と喜びであなたがたの心を満たすなど、恵みを施しておられ」ることも、その一例です(使徒14:17)。

今年も季節はめぐり、美味しいものにたくさん恵まれることでしょう。その収穫のときには、いえ、収穫まで待たず、今度雨が降ったときには、創造主なる神に、思いを馳(は)せてみてはいかがでしょうか。


「漢字の向こうに聖書が見える」のシリーズは、福音歌手森祐理さんのラジオ番組「モリユリのこころのメロディ」で取り上げられました。祐理さんは、CBI Pressから昨年出版されたデボーションガイド、『365日の恵み浴』を使っています。皆さんも、主の恵みを浴びて一日を始めてみませんか?

聖書 新改訳2017©新日本聖書刊行会

この記事は『クリスチャン新聞福音版』2022年6月号(No. 549)より、許可を得て転載しています。