ほむべきかな、イスラエルの神、主よ。主はその御民を顧みて、贖いをなし、救いの角を私たちのために、しもべダビデの家に立てられた。古くから、その聖なる預言者たちの口を通して語られたとおりに。この救いは、私たちの敵からの、私たちを憎むすべての者の手からの救いである。
（ルカの福音書2:1-5）
なんと驚くべきことでしょう。そう思ったことはありませんか。ミカ5章2節に預言されている通り、神はあらかじめメシアがベツレヘムに生まれるよう定められました。しかし時がきたとき、メシアの母と法律上の父は、ベツレヘムではなくナザレに住んでいました。神のみことば通りに成就するため、この無名の、取るに足らない、小さき二人を最初のクリスマスにベツレヘムに連れてくるために、神は皇帝アウグストゥスの心に働きかけ、ローマ帝国に住むすべての人がそれぞれ自分の町で登録するよう命じさせたのです。たった2人の人間を110kmも移動させるための、全世界を巻き込む命令です！
この70億人もの人々が住む世界の中で、私のように、いかに自分が小さく、取るに足らない存在かと感じたことはないでしょうか？ 政治、経済、社会の大きな動きが報じられ、世界的な影響力と権力と名声のある人々のことばかりがニュースで飛び交っています。
もしそのように感じたことがあるなら、どうかそのことで落胆したり、悲しんだりしないでください。聖書には、このような巨大な政治的勢力や大規模な工業体系はすべて、知らず知らずのうちに、神によって導かれていること、しかもそれは彼らのためではなく、神の小さき者たちのためであることが暗示されています。それは、小さきマリアとヨセフをナザレからベツレヘムへと導くためでした。神はご自身のみことばを成就させ、ご自身の子どもたちを祝福されるために、帝国をも巧みに用いられます。
あなたの経験という小さな世界で逆境に遭ったからといって、主の御手が届いていないのだと考えないでください。主が心から求めておられるのは、私たちの成功でも名声でもなく、きよくあることです。そのために、主は全世界を支配されます。箴言21章1節に「王の心は、主の手の中にあって水の流れのよう。主はみこころのままに、その向きを変えられる」とある通りです。そして主が向きを変えられるのは、いつでも、神の民の救い、聖別、そして永遠の目的のためです。
神は、小さき者のための大きな神です。世界中の王、大統領、首相、首長たちは、知らないうちに、私たちの天の父の主権的な命令のままに従っており、神の子どもである私たちが御子イエス・キリストの似姿に造り変えられ、主の永遠の栄光に入るためなのです。それを大いに喜ぼうではありませんか。